シンガポールでは定番の医療「中国医学(中医)」とは?
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7割が中華系の人口を持つシンガポール。そんな中華系の中では、昔ながらの中国の伝統的な医療である中国医学(中医)が普通に生活に根付いている。風邪で咳が止まらなかったり、膝の痛みが出たときなど、シンガポール中華系の友人に「チャイニーズ・ドクターに行ってみたら?」言われることがある。この「チャイニーズ・ドクター」とは中医のこと。今回はその「中医」を利用する際のポイントをご紹介する。
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どのようなときに行くのか
風邪など一般諸症状の病気の際、シンガポール人はいわゆる「病院」に行くが、症状緩和、中には胃潰瘍、癌といった内臓疾患の治癒目的でも中医診療所を訪れる人も。
どのような治療を行うのか
筆者は背中の筋肉が硬直し、首の筋肉に負担がかかった、いわゆる「ぎっくり首」で中医にお世話になったことがある。その際に受けた治療は針治療。
初めに脈を図り「睡眠不足です」と言われる。次に舌を見せ「胃が疲れてますね」。そして清潔なベッドに寝かされ、体の経路に長い針が刺される。針は刺される瞬間だけ爪できつく抓られるような感覚が。そして約15分間、温熱効果のライトに針を刺した場所を温められて治療は終了。
施術後は体がすっきりした感覚に。まったく動かなかった首が針治療後に一気に動くようになった。治療後の1時間は運動、入浴、食事は行ってはいけないとの指摘を受ける。
ちなみに針は新品で、針を刺す場所は必ず消毒をされる。医師は中国の中医学専門の大学を卒業し、国家資格を持った医師である。また、症状によっては針治療以外にも、熱治療(温め)、瀉血治療(吸い出し)、マッサージなどの治療方法がある。
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保険は適用されないことが多い
診断、治療後は、いわゆる漢方薬を処方される。たくさんの生薬を丁寧に選び混ぜ合わせ、煮詰める薬剤師の姿を見るのもまた面白い。診療・治療費は症状や診療所によってさまざま。しかし残念ながら保険は適用されないのでご注意を。
中には中医学に興味を持ち勉強する人も
シンガポールには中医学を本格的に勉強ができる大学もある。勉強期間は全日制で最低5年(パートタイムで7年)、また中医学に関するコースもいくつか開催されている。授業は主に中国語。公用語が英語のシンガポールでは、中国語を勉強してから入学するシンガポール人もいるらしい。
参考リンク
新加坡中医学院(Singapore College of Traditional Chinese Medicine)
URL:http://www.singaporetcm.edu.sg/en/
まとめ
このようにシンガポール人の生活の中に普通に取り入れられている中医診療所。偏頭痛、睡眠不足からくる疲労など生活習慣病を改善したい人は、一度シンガポール滞在中に中医にかかってみるのもいいかもしれない。
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この記事を書いた人
20年近く海外勤務生活。中でも東南アジア、シンガポールに長く滞在。好きなことは旅行、ヨガ、そして様々な場所に出現する猫を撮り続けること。