留学中に夢を叶える!やりたいこと100のリストとはーーマルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク留学生インタビュー
12235
View
スポンサーリンク
今回のインタビューはマルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク、ピアノ教育修士2年の大木美穂さんです。過去の留学経験を活かして作成した「留学中にやりたいこと100のリスト」が、自分自身を励ましてくれたという大木さん。これから留学に行く人、必読です!
スポンサーリンク
19歳で初めてドイツを訪れてから、8年後に大学院留学を果たした大木さん。第3弾では過去のターニングポイントとなったエピソード、現在の学生生活、そして未来の夢についてお話していただきました。
ドイツ一人旅から8年
(19歳でドイツを一人旅したときのアルバム)
ーー 大木さんがドイツを選んだ理由はなんですか?
3歳の頃からピアノを習っていたこともあり、ずっとベートーベンやブラームスが生まれたドイツに憧れていました。また、中学生のときに音楽の授業で「魔王」という曲を聞いて、「なんだこの言葉は!かっこいい!」とドイツ語にも惚れてしまいました。その後、10代のうちに一人でドイツに行きたいというのが夢になりました。
ーー 「魔王」は私も音楽の授業で聞いた記憶があります!その後、夢は叶いましたか?
はい。19歳のときに初めて一人でドイツに行きました。1週間語学学校に通い、1週間は音楽家の生家やコンサートを巡る一人旅だったのですが、ユースホステルなどに滞在したため、色々な国の人やドイツ人との出会いがたくさんありました。
この2週間を経て、今度は音楽家のルーツであるドイツの空気に触れながら音楽を学びたいと思い、1年間の交換留学を目指すようになりました。
ーー この時はすでにドイツ語が話せたのですか?
当時は、挨拶程度しか話せませんでした。語学学校の授業では、いきなりドイツ語しか話してはいけないという環境だったので、クラスメイトの熱気にはかなり刺激を受けました。当時は大学の教養の授業でドイツ語を受講していたのですが、帰国後は本気でドイツ語を勉強し始めました。
ーー 具体的にはどのようにドイツ語を勉強していましたか?
NHKのラジオ講座を使ったり、周りでドイツ語を勉強している人と会話の練習をしたりしましたが、一番のモチベーションは旅で出会った人とドイツ語で話したいという思いでした。当時は英語でメールをやりとりしていたのですが、早くドイツ語でコミュニケーションがとりたくて勉強にも熱が入りました。
当時出会った友人とは今でも繋がっているのですが、先日会った時はドイツ語の本をプレゼントしてくれて、8年前は英語で話していたよね…と思い出話に花が咲きました。
ーー 語学の勉強を続ける秘訣はなんだと思いますか?
なんで語学の勉強をするかって、結局コミュニケーションがとりたいからなんですよね。
例えば、日本にいて最初は語学が学びたくて留学生に近づいても、結果的には彼らともっと仲良くなりたいから、自分ももっと語学を勉強するという相乗効果があると思うんです。これこそが、語学の勉強の醍醐味なのかなと感じています。
交換留学で大学院留学を決意
(交換留学時代、エアフルト市庁舎での国際関係記念展での演奏後の1枚)
ーー その後、交換留学の目標も達成されたのですね。
学校が協定を結んでいたエアフルト大学に1年間留学しました。それまでの人生で一番ピアノに向き合った時間でしたね。本当に濃い時間を過ごせました。その時に出会った先生が、かなり深いところまでピアノの可能性を見せてくれる先生で、ピアノを教えるプロの教育者になりたいという気持ちがより高まりました。
その先生が、現在通っているハレ大学の教授を紹介してくれて何度かレッスンを受け、絶対にここに来ようと決めました。
ーー 大きなターニングポイントとなる出会いだったのですね。交換留学時と今を比べて成長したと思うことはありますか?
交換留学の時は仕事はせず、奨学金をもらって留学していたので、その分がむしゃらに勉強したという印象です。睡眠時間を削って1日10時間練習した日もあるくらい、やれるだけやる!という意気込みでした。
それに比べて今は時間の使い方や計画の立て方などを工夫して、賢明に学べていると思います。今は1日10時間練習するよりも、毎日少しずつステップを踏んだ方が自分の成長に繋がると考えています。息抜きも事前にプランに入れて、勉強とプライベートのバランスをとりつつ生活できています。
ーー 2週間、1年、3年半と段階を踏んでドイツでの目標を達成しているのですね。
そうですね。でも、実は国内で大学の進路を選ぶときに、音大にいくか教育学部に進むか迷いました。私はピアノ教育を専門に学びたかったのですが、日本にはピアノ教育を専攻として設けている大学がないんです。結果的には国立大学の教育学部音楽専攻に進学しました。
大学時代の学びが今活きていることもあるのですが、当時は100%やりたいことと一致しているわけではなかったので、もどかしさも感じていました。
ーー 今はどうですか?
今はやりたいことをやっているので、本当に毎日わくわくしています。やりたいことが分かっていて、それが日本にないのなら外を見てみるのがいいと思います。
私の場合はそれがドイツだったのでラッキーでしたし、ちゃんと行動してよかったです。「私が学びたいことはどこかにあるのではないか」という気持ちで探していました。
スポンサーリンク
留学中にやりたいこと100のリストとは
(交換留学時代、友達とホームパーティー)
ーー 今回留学をするにあたって、前回の交換留学の経験が活かされたことはありますか?
交換留学の目標が「留学に悔いを残さない」だったのですが、留学後半はピアノの練習ばかりに時間を割いてしまったので、もう少し友達と遊んだりコミュニケーションをとればよかったと後悔しました。
そこで、今回は留学前にやりたいことを100個書いたリストを作りました。リストには現地でドイツ語を使って働くことも含まれていて、「なぜドイツなのか?」「なぜ今なのか?」と自分自身に問いながら書きました。
実はこのアイディアは自転車でユーラシア大陸を横断した友人が、留学を諦めかけていた私にお勧めしてくれた方法なのですが、本当に実践してよかったです。留学準備中に不安になったりくじけそうになっても、このリストを見て「私にはドイツに行ってやりたいことがこんなにあるのだから、頑張るしかない」と自分自身を励ましていました。
ーー 実は、私も留学中にいくつか達成できなかったことがあるので、とてもいい方法だと思います。今の達成度はいかがですか?
留学前から何度も読んでモチベーションにしていたせいか、無意識のうちに達成していたことが多いですね。今の時点でかなり達成できていますが、このリストを見て、モチベーションの維持に役立てています。
音楽を通じてドイツと日本の架け橋に
(個人レッスンで教えている生徒が書いてくれた大木さんの似顔絵)
ーー 将来の夢はなんですか?
近い将来は日本の大学で働きたいと考えています。日本にはピアノ教育課程を専攻として学べる大学がないので、これまでの経験を活かしてそれを作る過程に携わりたいです。
遠い将来は、ピアノ教育者としてピアノ教育の発展に関わりたいと思っています。自分の音楽教室や学校、研究所を作るなど場所や方法は色々あると思っています。また、ドイツでの経験を強みに、音楽を通じて日本とドイツの架け橋になりたいです。ドイツで知り合った教授や友達を日本呼んでコンサートを開いたり、逆に学生をドイツに連れて行って講習やコンサートを回る旅などもできたらいいなと思います。
ーー では、最後にTHE RYUGAKUの読者にメッセージをお願いします!
もし、今留学に迷っている人がいたら、なぜ迷っているのか、迷う気持ちがどこからくるのかを自分に問いただしてほしいです。迷うということは、どこかに行きたい気持ちがあるはずです。
もし、行きたい気持ちが留学をしない理由よりも大きいのなら留学に行くべきですし、小さいのなら日本にいてもいいと思います。迷っている人には、ぜひ私が実践した留学でやりたいこと100のリストを作ってみることをお勧めします。
留学行くと決めた人には「今、ここ」を楽しんでほしいです。準備をしているときも、留学中も、将来のことを考えて不安になることがあると思います。そんな時でも、「今」という時間と「ここ」という場所にフォーカスして、充実した時間を過ごしてほしいです。
編集部コメント
大木さんのお話を聞いて、留学中にやりたいこと100のリストを作ることは、ぜひこれから留学に行く人にお勧めしたいと思いました。目標を掲げるだけでなく、それを具体化して紙に書き出すことで、常に自分の達成度を測れることがリスト化することのメリットだと思います。ぜひこれから留学に行くみなさんも試してみてはいかがでしょうか?
今回紹介した学校の口コミ
名称 | Martin-Luther-Universität Halle-Wittenberg(ハレ=ヴィッテンベルク大学) |
---|---|
国・都市 | ドイツ / Halle |
学校形態 | 大学大学院 |
住所 | Franckeplatz 1, 06110 Halle (Saale), ドイツ |
電話番号 | +49 345 5527252 |
公式サイト | http://www.uni-halle.de/ |
口コミサイト | https://ablogg.jp/school/7099/ |
名称 | Universität Erfurt(エアフルト大学) |
---|---|
国・都市 | ドイツ / エアフルト |
学校形態 | 大学大学院 |
住所 | Nordhäuser Straße 63, 99089 Erfurt, ドイツ |
電話番号 | +49 361 7371890 |
公式サイト | http://www.uni-erfurt.de |
口コミサイト | https://ablogg.jp/school/3324/ |
インタビュアー
安彦海咲(あびこみさき)/神田外語大学4年/アブログインターン生
スポンサーリンク