【イギリスで食べたい】イギリス人の習慣「アフタヌーン・ティー」とは?お勧めティールームを紹介

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イギリスの美味しいものを紹介する「イギリスで食べたい」シリーズ。今回はイギリスの伝統的な喫茶習慣「アフタヌーン・ティー」についてお送りします。聞いたことはあるけれどなんだか敷居が高そう。と、不安に思われている方もいるのではないでしょうか?そこでアフタヌーン・ティーの由来、お店の探し方から簡単なマナー、オススメのお店を紹介します。

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そもそもアフタヌーン・ティーって何?

1840年あたりのお話です。とある貴族の家庭で夜8時にディナーを食べるしきたりがありました。ですが、ランチから8時までの間、夕方4時頃になると小腹が空いてしまうと嘆いた公爵夫人のために、トレイに紅茶、パンにバター、ジャム、ケーキなどが運ばれたのが「アフタヌーン・ティー」の始まりだと言われているようです。

その後、その公爵夫人がそのささやかな楽しみに友人などを招待していったことから、広まったと言われています。その後1880年代には上流階級の女性たちの社交の場としてアフタヌーン・ティーが流行したようです。ロングガウン、手袋、帽子を身につけた女性たちが華やかに集ったとのことです。

現在のアフタヌーン・ティー事情は?

ドレスアップをして母の日などの特別な日に老舗のホテルでアフタヌーン・ティーでお祝いしたり、友人たちと誕生日の日に「特別なご褒美」と楽しんだり、社交の場としての伝統は続いていますが、一般の人も気軽に楽しめるようになりました。

一時は「オールドファッション(古いすたれた伝統)」と人気も影を潜め、イギリスの人よりも観光でイギリスを訪れる人向けになってしまった時代もありました。ですが、今ではイギリスの素敵な習慣として、また伝統に少しのモダンテイストを加えたものや、男性用、和風、グルテンフリーなど、ユニークな種類のものも出てきて、イギリスの人々からもまた人気を集めています。

ホテルでも、不思議の国のアリスやプレタ・ポルテなどファッションをモチーフにしたもの、たくさんのユニークなメニューがあります。また、ウィンブルドンなどのイベントの際にはそれらにまつわるメニューを打ち出すお店も多くあります。

アフタヌーン・ティーの作法

何も堅苦しく考えることはありません。よほどの場所でなければ有名ホテルでも今やさまざまな人が自由に楽しんでいますから、心配することはありません。基本的な作法やドレスコードがあればそれにしたがって、あとは楽しめばよいのです。

まずは予約をしましょう。アフタヌーン・ティーのサイトからさまざまな条件で探すことができます。

行きたいホテルがあるなら直接ホテルに予約を入れましょう。老舗の人気ホテルの場合、シーズンによって数ヵ月待ちの場合もありますから、人気のホテルは早めに予約をされたほうがいいかと思います。

到着したらまずはホテルのクロークに買い物バッグやコートなどかさばるものは預けます。他のお客様の邪魔になりますし、雰囲気も損ねます。その後、ホテル内のレストラン、ティールームに予約をしたことを告げ、スタッフに席に案内してもらいましょう。

まず、紅茶のリストから好きなものを選びます。ホテルの場合、かなりのセレクションを持っていますから、ティーリストから決めるのも楽しいものです。ちなみに、シャンパンアフタヌーン・ティーも人気です。(シャンパンが通常のセットに付いてきます。)

お茶を頼んだら、おまちかねの3段トレイが運ばれてきます。もしくは違う形で出てくる場合もありますが、基本は一番下のサンドイッチからいただきます。これらはフィンガーサンドイッチなので手でつまんでもかまいません。

3段トレイ
Jocelyn & Cathy

イギリスの伝統では、きゅうりのサンドイッチが欠かせません。ミント、きゅうりのサンドイッチ、ハムとチーズにチャツネ、卵とクレソン、サーモンとクリームチーズなどお店によりさまざまです。

次は2段目のスコーンにいきましょう。ナイフで半分に割り、クロテッドクリーム、ジャムをのせて手でいただきます。大体一人に2個ずつ、プレーンなもの、レーズンなどが入ったものが1個ずつサービスされますが、レーズンなどが苦手なら変えてもらうことをお茶を頼む時点でお願いしても良いかと思います。

最後は3段目、ケーキです。マカロンやスムージーなど、最近は面白い志向を凝らしたものもたくさん見られるようになりました。最初から内容が決まっているもの、自分で選べるもの、さまざまです。

ケーキトレイからおかわりができる場所もありますが、恐らく日本の方にはお腹一杯でしょうから、食べきれなかった分はお願いすると包んでくれます。持ち帰るのは失礼ではありません。

ゆっくり紅茶を楽しみながら、雰囲気も味わいつつ、それがホテルのアフタヌーン・ティーの醍醐味かと思います。

また、お洒落をしていくのも楽しいものです。女性ならシンプルなワンピースに上品な靴(スニーカー、ブーツ、レインブーツ、サンダル以外の靴)なら大体は問題ないはずです。

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イギリス人お墨付き!ローカルが通うティールーム

ティールーム
Michael Coghlan

最近はホテルなどのかしこまった場所ではなく、ローカルが愛する地元のティールームで、まるで誰かの家でくつろいでいるような雰囲気の、素朴ながらも温かなアフタヌーン・ティーにも人気が集まっています。筆者は断然こっちが好きです。中には創業120年などの老舗のお店もあり、古きよき時代のロンドンを垣間見ることができます。

ホテルとは違ってカジュアルで、ローカルに混じって気軽に、しかし温かな時間を過ごせます。チョコレートファッジジケーキやアップルクランブル、ビクトリア・スポンジにキャロットケーキなどなど、イギリス人が普段に好む「定番のイギリス菓子」を売りにしているお店から、カップケーキのアフタヌーン・ティーまでさまざまなお店があります。

値段もホテルに比べてお値打ちですし、かしこまらずに地元の人に混じっていただく素朴なケーキ、大きなティーポットのたっぷり紅茶、かわいらしいインテリア、まさに至福の一時です。普段着で気軽にいきましょう。

また、スコーン(クロテッドクリーム・ジャムつき)にお茶が付いた「クリームティー」と呼ばれるセットもティールームでは良く見られます。

ロンドンはもちろん、イギリスの田舎に行くと素敵なティールームがたくさんあります。ロンドンから人気の観光地コッツウォルズなどにもたくさんの素敵なお店が「クリームティー」を出しています。

また、ロンドン最西南コーンウォールズ地方や、クロテッドクリームの発祥の地であるデヴォン州にいくと山盛りのクロテッドクリームに大きなスコーンの「クリーム・ティー」がとても安くいただけますから、ロンドン留学中に機会があったら訪れてみるのもいいですね。人気のお店はやはり予約をしてから行きましょう。

筆者がオススメするティールーム

最後に、ロンドンでアフタヌーン・ティーをするののにオススメの場所をいくつかあげておきますね。ロンドンはお店の移り変わりが激しいですから、万が一閉店など情報が変わる場合もあります、ご了承ください。

ホテル

Claridge's
イギリス紅茶教会が主催するすばらしいティールームに与えられる「Tea Guild Awards」を幾度か受賞しています。ドレスコードはエレガントカジュアルです。

Brown's Hotel
こちらも幾度も賞をとっているホテル。紅茶は独自のブレンドを出すなどこだわっています。グルテンフリーのアフタヌーン・ティーもあるようです。(2015年3月現在)

Sanderson Hotel
不思議の国のアリスをモチーフにした素敵なアフタヌーン・ティーがいただけます。

ティールーム

Orange pekoe
少し観光地とは外れた場所にありますが、温かなイギリス伝統のお菓子やスコーンがいただける、独自のブレンドの紅茶もすばらしい素敵なティールームです。

Newens
120年もの歴史を持つとても素敵なティールームです。キューガーデン、リッチモンド方面に行かれる際にはぜひ立ち寄ってみてください。ガイドブックにのることも多く、観光客の方も地元の方もみんな幸せそうにお茶を楽しんでいます。

筆者のイギリス人の友人も小さなころからここでのランチが家族の楽しみだったそうです。またこのお店、「メイド・オブ・オナー」というお菓子で有名です。あまりのそのおいしさに国王がレシピを鉄箱に入れ鍵をかけ、作り出した女性までを宮殿に幽閉してしまったと伝えられるそのお菓子を一度召し上がってみてくださいね。

Wallace Collection
Wallace Collectionというギャラリーの中にあるレストランでのアフタヌーン・ティー。雰囲気がとても素敵で、さらにはすばらしい芸術も一緒に楽しめます。かつては個人のお屋敷であったこのギャラリーをゆっくり鑑賞したあとに素敵なレストランでお茶をお楽しみください。

まとめ

さて、いかがでしたでしょうか。イギリスに留学でお越しの際にはぜひ一度はアフタヌーン・ティーを体験してみてくださいね!皆様の留学生活を心から応援しています!

Have a lovely day!

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モモグラモ
モモグラモ

イギリスのロンドンはウィンブルドンに住んで9年目です。元ハリーポッターに出演していた夫(南アとオランダのダブル国籍です)と二人暮らしです。私がいっぱい涙が出るくらい恥ずかしい思いをしつつ経験してきた生活の知恵、英語の言い回し、イギリスの穴場やこぼれ話をお届けできたら嬉しいです。またBAFTAの試写会でのセレブリティーの写真もご紹介できたらと思います。

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