本当にヘルシー?ちょっと疑問に思うアメリカの健康食品

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CHRISTOPHER DOMBRES

肥満大国アメリカ。だからこそ人々はダイエットや健康管理に熱心で、健康食品の市場も拡大の一途をたどっています。しかし「健康食として売り出しているけど、それって不健康食じゃない?」と首をひねってしまう食品もしばしば見かけます。さらっとご紹介しましょう。

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1.お砂糖たっぷりの豆乳

Alpro Soy or Soya Milk
Health Gauge

牛乳よりも栄養バランスに優れ、ダイエットやコレステロール低下などなど様々な健康効果が望めるといわれている豆乳。ビーガンやベジタリアンは、牛乳の代替品としても愛飲しています。
ただ、スーパーの棚に並ぶのはバニラ味、ストロベリー味、チョコレート味と、味付けされた商品がほとんど。豆乳本来の味を好む人はいないようで、あの豆っぽい独特の風味がかき消された、ただの甘い液体に変貌しています。低脂肪・低糖のLight(Reduced SugarやLow Sugarなどとも)や無糖のUnsweetened(No Sugar Addedなどとも)という商品もあるのですが、個人的にはLightでも舌がしびれるくらいの甘みを感じます。そしてアメリカの豆乳はそもそも薄いので、Unsweetenedだと水で薄められた何か別の液体を飲んでいるようで落ち着きません。ああ、スジャータの濃厚な有機豆乳が懐かしい。

豆乳同様に健康的だと注目されているアーモンドミルクやココナッツミルクにも、同じことがいえます。「牛乳よりヘルシー」と思って買ったら予想以上にお砂糖もついてきた、ということになりかねませんので、成分表示には注意が必要です。

さらに、Non-GMO(非遺伝子組み換え)の表示がない商品は、遺伝子組み換え大豆が使われている可能性があります。砂糖の含有量だけでなく、原料の安全性にも気を配りたいものです。

2.ダイエッター向けポップコーン

Delicious popcorn
Aspa

「ダイエット中でもジャンクフード・甘いものが食べたい!」という欲求を満たすためか、通常よりもローカロリーの嗜好品が販売されています。そのラインナップは、ポップコーン、クッキー、ポテトチップス、プレッツェル、果てはカクテルなどのアルコール類まで。さらに、水に入れてデトックスウォーターのような甘みのあるジュースを作るための原液も、かなり味のバリエーションがあります。市販の炭酸飲料水を飲むよりヘルシー、ということなのかもしれません。

ですが、本当に健康的な食生活を送りたいなら、その嗜好品を求める味覚を変えたほうがいいのでは?と思うのは私だけでしょうか。こういったジャンクフードは中毒性があるので、カロリーが高かろうが低かろうが、きっぱり絶ってしまったほうがいいと思うのです。ローカロリー・ノンカロリーの商品では物足りなくて高カロリーのジャンクフードに手を伸ばしてしまうかもしれませんし、そもそもカロリーと減量には直接の関係性がないという説もあります。

ちなみにどのくらいカロリーが低いのかポップコーンを例に比較すると、通常のポップコーンが1カップあたり31kcalであるのに対し、ダイエッター向けの某商品は25kcalだそうです。え、あまり変わらない? ですよね。SlimやらDietといった魅惑の言葉に惑わされないようにしましょう。

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3.ソースまみれの回転寿司

Peter Two Roll
Ray Bouknight

ヘルシーでスタイリッシュなイメージがあるため、sushiは特に健康志向の人たちの間で大人気です。ここシアトルは、日系人が多く海に隣接している土地柄、アメリカでは珍しく本格的なお鮨が味わえる都市の一つだといえます。

ただ、リーズナブルな回転寿司屋さんへ行くと、鮨はsushiという別の食べ物に変わります。オーソドックスな握りはあまり好まれないためか、奇妙奇天烈な創作寿司が次々回ってきます。「Volcano roll」とか「Green monster」とか、名前からして怪しげなものばかり。テリヤキソースとマヨネーズにまみれ、天かすが散らされ、肝心のネタが見えなくなっているようなsushiは、とても健康的とは思えません。

4.何でもかんでもピーナッツバター

After School Snack
regan76

アメリカ人は、ピーナッツバターのことを「高たんぱく質の健康食」と思っているようです。といっても、日本で売られているお砂糖たっぷりのピーナッツクリームではなく、SKIPPYのような固いバターのことですが。

子どもたちが学校へ持っていくランチの定番は、ピーナッツバターとぶどうジャムのサンドイッチ(Peanut butter and jelly、略してPB&J)。学校帰りに食べるスナックはピーナッツバターをたっぷりぬったセロリ。スーパーの棚には、Creamy、Super creamy、Chunk、Honeyなど様々なピーナッツバターが並びます。これだけ種類があっても、上で述べた豆乳やポップコーンのように「Light」「Unsweetened」といったヘルシー系の商品があまり見当たらないのは、「ピーナッツバターが健康食だ」と考えられているからでしょうか。

成分表を見ると脂肪がたっぷり含まれているのですが、それもほとんどは不飽和脂肪酸(体内で固まらない、血液をサラサラにする脂肪)なので問題なし、むしろ健康増進効果がある、と発表している研究機関・医療機関が多いです。ピーナッツバター・ダイエットなんてブームもありました。「ピーナッツバターは美味しい! しかも健康的!」とばかりに豪快にトーストにぬるアメリカ人たち。

ただ、あんなにコッテリとして、ジャンクフードとも相性のいい食べ物(ピーナッツバター味のチョコレートやクッキー、ドーナッツ、カップケーキなどが山ほどあります)が健康にいいとは、日本人的にはどうも思えないのです。百歩ゆずって健康的だとしても、とりすぎたらダメでしょう。日本でも、たとえば高たんぱくな発酵食であるお味噌だって、とりすぎたら塩分過多で不健康ですよね。アメリカ人のピーナッツバター信仰にずっと疑問を抱き続けている筆者です。

最後に

アメリカは誘惑まみれの国です。食べ物・飲み物のポーションが多く、「モッタイナイ」と日本人らしさを発揮して完食しようとすると、つい食べ過ぎてしまいます。チンするだけの加工食品に頼ったり、「BUY1 GET1」の広告に踊らされて必要でない商品を買ったり、といった罠にもはまりやすいです。そして今回ご紹介したように、「健康的!」とアピールしてくるちょっと不可思議な食品も存在します。

幸いアメリカの食品は、日本のそれよりも細かく成分表示がされています。糖分や脂肪分、炭水化物の含有量などをしっかりチェックしましょう。また、ダイエットにもgood!健康志向のシアトル人は何を食べているのかでご紹介した「Local food」や「Cage-free」、「Grass-fed」、「Non-GMO」といったキーワードが表示されているかどうかも確認してみてください。

留学中は体が資本。健康を保ち、勉学に集中できることを祈っています。

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この記事を書いた人

美紗子
美紗子

日本の大学で英語学を学びながら、語学留学でロンドン、国際インターンシップでドネツク(ウクライナ)へ。その他旅に明け暮れて、次第に旅するように暮らしたいと思うように。大学卒業後は日本の出版社に5年半勤め、現在は配偶者とシアトル在住。

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