色んな表記があって混乱する?「美術館・博物館」に関するイタリア語表記4選
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日本語だと「絵画中心の展示施設=美術館」「それ以外=博物館」と集約されてしまうことが多いこれら2つの施設ですが、芸術の都イタリアでは建物の性質ごとに数種類の言い方が用いられています。ここではこの微妙なニュアンスの違いについてご紹介します。
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1.主なイタリア国内の人気美術館・博物館のイタリア語表記
以下は、旅行に関する口コミサイトtripadvisorが発表した、2016年イタリアで人気だった美術館・博物館のランキングです。見て頂くとわかりますが、イタリアでは特に「美術館」をさまざまな呼び方で表します。
イタリアの人気美術館・博物館
- Galleria degli Uffizi:ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
- Museo egizio:エジプト博物館(トリノ)
- Galleria dell'Accademia:アカデミア美術館(フィレンツェ)
- Musei Vaticani:バチカン美術館(バチカン)
- Galleria Borghese:ボルゲーゼ美術館(ローマ)
- Museo Nazionale del Cinema:国立映画博物館(トリノ)
- Museo Nazionale di Castel Sant'Angelo:国立サンタンジェロ城博物館(ローマ)
- Collezione Peggy Guggenheim:ペギーグッゲンハイム美術館(ヴェネツィア)
- Museo Nazionale dell'Automobile:国立自動車博物館(トリノ)
- Museo delle Scienze:科学博物館(トレント)
2.Museo(ムゼオ)
「Museo(ムゼオ)」の日本語訳は「博物館」ですが、イタリアでもあらゆる学術資料を扱っている施設に対してMuseoの語を使うケースが多いです。一方、海外の施設については美術館寄りのものであろうがなかろうが、そのまま現地での呼び方を踏襲することがほとんどです。
「Museo」の名称が付くイタリア国外の施設のイタリア語表記の例
- Museo britannico:大英博物館(イギリス)
- Museo del Louvre:ルーブル美術館(フランス)
- Museo del Prado:プラド美術館(スペイン)
バチカン美術館は「Musei」と呼ばれていますが、これは略称で、正式には「Monumenti Musei e Gallerie Pontificie(Pontificie:教皇庁立)」といいます。美術館のほか、教皇庁の建物など、さまざまな施設の複合体のため、Museoが複数形になっています。
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3.Galleria(ガレリア)
「Galleria(ガレリア)」は、日本語にすると「画廊・回廊」となるため、何となく規模が小さな所や細長い廊下を想像してしまいがちですが、イタリアではGalleriaと呼ばれている美術館が非常に多いです。
理由はイタリアの歴史的背景にあります。イタリアでは美術館がまだなかった時代、大切な美術品は宮殿の部屋や廊下の壁などにずらりと並べて展示されていました。それが後世になり、美術館として運営されるようになったため、このような言い方となっています。(ウフィツィ美術館も元々はメディチ家の事務局ですし、アカデミア美術館も美術学校の美術品保管場所でした。)
ちなみに、イタリアではミラノのアーケード(Galleria Vittorio Emanuele II)などもGalleriaと呼びますが、こちらは綺麗な店が左右に並ぶさまを廊下にずらりと並ぶ美術品と重ね合わせたことに由来します。
4.その他(Museo D'Arte/Pinacoteca/Fondazione)
近年設立された美術館や、他国のものを扱う美術館などには「Museo D'Arte」や「Museo」の語が用いられることが多いです。
Museo D'Arteなどの表記が使用されているイタリア語の例
- Museo d'Arte Orientale Edoardo Chiossone:キヨッソーネ東洋美術館(ジェノバ)
- Museo del Novecento:ノヴェチェント美術館(ミラノ)
- Museo d'Arte Contemporanea di Roma:ローマ現代アート美術館(ローマ)
また美術学校の一角や大きな施設の1フロアにあるような美術館は「Pinacoteca(絵画館)」と呼ばれることが多いです。
Pinacotecaが使用されているイタリア語の例
- Pinacoteca di Brera:ブレラ美術館(ミラノ)
- Pinacoteca Giovanni e Marella Agnelli:ジョヴァン二・エ・マレッラ・アニェッリ絵画館-FIAT元会長夫妻の画廊(トリノ)
まとめ
いかがでしたか?言い方がたくさんあって大変ですが、先日日本へ行ったイタリア人からは「新茶・煎茶・番茶・抹茶、イタリアでは全部"Tè verde(緑のお茶)"と訳されているからお土産にどれを買ったらよいかわからなくて困ったよ」と言われてしまいました。文化的背景を知ることでその国が見えてくるのは何とも面白いですね。
是非、楽しみながら単語の理解を深めてみてください!
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この記事を書いた人
アメリカに1年、イタリアに2年住んでいます。お料理と旅行・美味しいものの食べ歩きが大好きです♡特に大好きなカフェやスイーツ、お土産を探すのが大好きなので、おすすめ情報をたくさん発信できたらと思います☆゚・:,