留学するべき?アメリカ大学留学のメリット・デメリット
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自分の将来を考えたとき「留学」という選択肢がある人には、ぜひ一度そのメリットとデメリットを考えてほしいと思います。この記事の中ではアメリカ大学留学のメリットとデメリットに焦点をあてていますが、その他の留学にも当てはまるところがあるかと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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私は高校を卒業してすぐ、アメリカへ留学しました。カリフォルニアでの語学学校に始まり、ワシントン州でコミュニティカレッジ、オレゴン州で4年制大学と大学院へ進みました。そんな中で私が感じた留学のメリットとデメリットについて話したいと思います。デメリットは、「どうやったら克服できるか」を考えながら読んでみてください。
メリット
① 異文化に触れることで価値観・世界観が広がる
これは、私が留学して良かったと強く思う点です。今でこそたくさんの人が海外から日本に来てくださっていますが、日本が島国の単一民族国家であるということは変わりません。自分から求めて行かない限り、日本とは全く違う文化に触れることはないでしょうし、外国語を日常生活の中で耳にすることも少ないでしょう。
アメリカは特に世界各国から人が集まってきている場所です。クラスメイトの中に、紛争から逃れてアメリカへ逃亡してきた、なんていう人がいることも珍しくありません。実際に私の友人は小さい頃そのような体験をし、命からがら逃れてきたそうです。彼女と話しているときに得られるもの、また彼女のおかげで幅を増した私の価値観は、日本では決して得られてなかったものでしょう。
また、日本もようやくスタート地点に立ち始めたかな、と思うのが同性愛者への理解です。私がいるオレゴン州ポートランドには同性愛者が多く、彼らとの会話から学ぶこともたくさんあります。最近ではアメリカ全土で同性愛者の結婚が認められましたよね。
国の文化だけでなく、「文化」というのは人が集まりグループやコミュニティーを作ればそこに必ず生まれます。その様々な文化に触れてこそ広げられる自分の価値観、世界観は留学を通して得られる、何物にも代えがたい宝物になることでしょう。
② 国際化社会に対応する能力を身につけられる
日本は世界的に見てもトップクラスの発展国ですが、同じアジアの中国、韓国には負けを認めざる負えない点が一つあると思います。世界で戦う能力と度胸です。
日本人はアジアの中でも文化的に控えめな民族です。謙遜を美徳とし、和を乱さないことを重要としていますよね。そこが日本人の良いところでもあり、悪いところでもあります。アメリカで和を乱さないように、なんてしようとしてたら、とても疲れます。謙遜しようものなら、「自分の意見がない人」と認識されます。
アメリカに留学するまで私もそれらを重要視してきました。しかし留学を通して、今までの軸で物事を推し量ることは出来ない、と気づきました。今では、日本人らしさを残しつつもアメリカにいる時には自分の意見をきちんと相手に伝えられるようになりましたが、留学しなければ自分の殻を破ることは出来なかったでしょう。
これから日本がどこまで世界で通用するかは、知識や能力はもちろんのこと、日本での常識から少し外れた言動をとれる度胸にもかかっているかと思います。海外に留学することで、いったん今までの常識を捨てる度胸、そして今までとは違う価値観を通して物事を考えられる能力を得られるはずです。日本に帰国し就職活動をするときにも、きっと役に立つはずです。
③ 自分が将来やりたいことが明確に分かっていなくてもいい
アメリカの大学は、入学時に専攻の最終判断をくださなくても良いシステムになっています。入学時は生物学に興味があったけれど、卒業の時には言語学科で卒業、なんてことは当たり前です。
学費をできるだけ安く済ませるために、私はまずコミュニティカレッジに入学しました。そこで二年間一般教養を専攻し、4年制大学の3年次に編入した際、心理学を専攻として選びました。
初めから4年制大学に入った友人は、入学時に興味があった国際研究を専攻として一般教養をこなしていました。その中で心理学の基礎のクラスを受講し興味を持ったようで、クラスが終わると同時にアドバイザーのもとへ行き専攻を心理学に変更する手続きをしていました。
学校や学科にもよりますが、専攻の変更はそこまで難しくありません。最初の2年でまずは一般教養として色んな学科の基礎クラスを受講し、その中から自分が一番興味を持ったものを3年生から専攻として深く突き詰めていく。このシステムのおかげで、自分が学びたいことをしっかり吟味してから決められるので、入学時に将来の進路を明確に決めておかなくても良いのです。
④ 世界から来るいろいろな人と出会える
あえて書く必要はないかもしれませんが、これも留学の大きなメリットの一つですよね。日本人ばかりとつるむのか、積極的に自分から色んな人に声をかけるのか、そこは自分次第ですが、せっかくのチャンスを無駄にするのは勿体ないです。
特に語学学校には世界各国から人が集まりますし、クラスの規模が大学と違って小さいので、友達を作りやすいです。私は語学学校で知り合ったイタリア人、フランス人、オランダ人、と今でも交流があり、彼らを訪ねていつかその国々に行くことが夢でもあります。
①に通ずるところがありますが、世界各国から来る人たちと触れ合うことでその国々の文化や歴史を学べますし、また言語の教え合いをすることで第三言語を学べたりもします。私の友人は韓国人の友達と毎日のように英語、日本語、韓国語を交えた会話をしていたようで、今では韓国語で日常会話ができるほどになっています。
今まで考えもしなかったことへの興味が湧くのも、留学の醍醐味です。
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デメリット
① 金銭面の負担が大きくなりがち
留学する場所、やり方、どんなルートで大学までいくか。色んな要素によって違ってきますが、日本の大学に実家から通う場合と比べたら、学費や生活費は留学のほうが断然かかりますよね。
アメリカの大学は奨学金のチャンスが多いのでそれらを利用することも可能ですが、得られる人はごく一部と限られます。特に、高校を卒業してすぐに行きたい場合はご両親からのサポートが必然となってきます。学校の敷地内でしたらアルバイトは可能ですが、すべてをまかなうことは難しいですね。
② カルチャーショックと逆カルチャーショック
軽視しがちですが、意外とストレスのもとになりやすいのがカルチャーショックです。アメリカでも行く場所によっては周りに日本食はおろかアジアの食材がない場所もあります。慣れ親しんだ日本食を食べれないことは、心理的にはかなりきついことだと思います。
また、第二言語で毎日生活することも、積み重なればストレスになりがちです。日本人の友達と毎日つるんで日本語ばかり話していては英語は伸びませんが、一週間に一度は日本食を食べる、また日本語を話す時間を作るのも、カルチャーショックに陥らない方法かと思います。
逆カルチャーショックはその名の通りカルチャーショックの反対で、日本に帰国して受けるストレスです。数年海外で過ごして日本に帰国し、逆カルチャーショックで気分が落ち込む留学仲間を何人も見てきました。
実は私もその一人でした。自分の個性や意見を主張することを良いとするアメリカで20代前半を過ごしたのち一年日本に帰ったとき、最初の半年は日本にいることがつらくて仕方ありませんでした。
どんなところで逆カルチャーショックを受けるか、またまったく受けないかは人それぞれですが、自分なりの対処法を考えておくことをお勧めします。
③ サポートシステムを一から作り上げる必要がある
留学先にあらかじめ知り合いや親戚がいる場合は別ですが、留学する人のほとんどが見ず知らずの土地に一人で降り立つことになります。日本にいれば何かあったときにも時差など気にせず友達と話せたり、家族に頼ることは可能ですが、留学中はそうはいきません。
英語でうまくコミュニケーションがとれないストレス、失恋の悲しみ、友達とのケンカ、授業の大変さなど、誰かに打ち明けたいのにその相手がいない場合、留学中には致命傷になります。
もちろん各大学にはカウンセリングルームがあるので、そのようなサービスをぜひ利用していただきたいのですが、日本語が話せるカウンセラーがいることはごく稀です。充実した留学を送るためにもサポートシステムをしっかり確保しましょう。
④ 就職活動により時間とお金がかかる可能性も
日本の大学にいくと就職活動の情報集めもスムーズにいき、周りの波にのって一緒に就職活動をすることができますよね。だいたい大学3年生からみなさん就職活動を始め、卒業前には決まっている人もいると聞きました。
アメリカにはそのようなシステムや風潮はありません。やりたいことが決まっている人は大学在学中からボランティアやインターンシップを利用しネットワークを広げたり、まだ決まっていない人は卒業後に一人旅をして経験を積んだりと、人それぞれです。日本のような新卒、既卒のシステムもありませんので、自分のタイミングで自分のペースで就職活動を行います。
留学後、日本で就職をしようと考えているのであれば、早い段階から履歴書やエントリーシートの書き方などを学び始めるといいでしょう。卒論があるコースを選ばない限り、ほとんどの学生がアメリカでは卒論を書きません。その代わり、卒業間近にとるほとんどの授業が難しくなるため、単位を落とさないようにするには一瞬の気も緩められません。そんな中、就職活動を同時進行で行うのは簡単ではありません。
友人の中にはボストンで行われるキャリアフォーラムに参加するために、寝る間も惜しんでエントリーシートを書き、また授業も同時にこなしていました。日本にわざわざ数日帰国してセミナーに参加する人もいました。そこまでの準備ももちろんのこと、それに付随してくる費用のことも考えておかなくてはいけませんよね。
まとめ
どんな道を選んでもメリット・デメリットはあると思いますが、「何を選ぶか」よりも「選んだ中で何をするか」のほうが大事だと私は留学中に学びました。この記事がみなさんの選択のお役に立てたら幸いです。
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この記事を書いた人
高校卒業後すぐ渡米し、大学院までの約8年をアメリカで過ごす。西海岸すべての州に住み、しっくりくる土地を求めオレゴン州ポートランドに落ち着く。最近の趣味は、始めたばかりの刺繍、天気が良い日のワイナリー巡り、ペットのLilly(ネコ)を膝にのせての映画鑑賞。