駐在員は特に注意!アメリカ国内でアパートを探す方法と契約書のチェックポイント
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最近、長年住み慣れたアパートを離れ、別の街に引っ越しをいたしました。理由は上の階に引っ越してきた若い女の子。ここでは私が引っ越しをした理由と合わせて、アメリカ国内で引っ越しをする際に知っておきたい基本的な条件や、物件を探すのに役立つウェブサイト、契約書に関する注意点などをお伝えします。
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一般的なミシガン州のアパートとは?
私はデトロイト近郊の街に長い間住んできました。別に家族はおりませんし、東京出身の私にとってミシガン州の住環境は文句がつけ難いぐらい、充実したものです。
私の住んでいたアパートは決して高級なクラスのアパートではありませんでしたが、8畳程度の寝室、12畳程度のリビングと大きく、私にとっては十分すぎるほどのスペースがございました。
家賃も手ごろでしたので、他のことにお金を使えるのが利点でした。ここで一般的なアメリカのアパートの条件を書いておきます。
アメリカのアパートに関する基本的な条件
まず最初に、一般的にアパートには個人家主は多くなく、管理会社が管理していることが多いです。
次に、日本でいうところの敷金は「Security Deposit」といいます。通常1ヶ月の家賃の半額ぐらいで、アパートを退去した際、よっぽどの破壊行為をしていない限り返却されます。ちなみに、日本でいうところの礼金はありません。
通常、アパートには冷蔵庫と皿洗い機がついてくるので、個人で購入する必要はなく、場所によっては電子レンジもついてきます。洗濯機は備え付けの場合と共同の洗濯機を使う場合があります。
駐車場は野ざらし、屋根付き、ガレージ付きなどさまざま。当然家賃が高いところほど、車への待遇も良くなる傾向にあります。
通常、入居の際、Social Security Number(SSN)の提示を求められ、Criminal History(犯罪履歴)とCredit History(信用情報)を調べられることが多いです。これによって犯罪歴、借金歴が調べられ、入居しても問題を起こさないかどうかを判定されます。
一般的にアパートに住む環境は日本より快適なものです。さらに雪の多いミシガンでは雪かきを管理会社がやってくれますし、蛇口の水がでないなどのクレームは電話一つで直してくれる利便性は大きな魅力です。
私は同じアパートに10年以上も住んでいたのですが、大きな問題が起きました。
突如現れた上に住むワイルドな住人
上の階に若いアメリカ人らしき女性と男性が越してきたのですが、まずそのうるさいこと、うるさいこと。夜中に大声で騒ぐ、ロックミュージックを大音量で聴く。さらにジャンプなどをしているのか、跳ね回っている様子です。
最初は管理会社に連絡をしてクレームしてもらうことを私は躊躇しておりました。なぜなら、私はこのアパートの棟に住む唯一のアジア系でして、上の階の住人も私が何の車に乗っているか、知っているはずです。腹いせに私の車にイタズラをされないか…。
できれば他の住人との諍いを避けたい私は最初の数週間は我慢していたのですが、睡眠不足に耐え切れず、ついにアパート側に連絡をし、注意してもらいました。
いったんは静かになったかと思えたのですが、今度はケンカです。二人で言い合いをしているのか、大声で怒鳴りあっており、時折、何かを壊す音も聞こえます。アパート側に連絡をすると、喧嘩の場合はクレームをつける担当者に危険が及ぶため、あえて来ないとのこと。
警察に電話をするように言われましたが、私はアメリカに来てから警察に電話をしたことがありません。また躊躇していた折、こんなことがありました。
休日、私は自分の車の清掃をしていると、上に住んでいる彼女が降りてきました。私に声をかけ、相談に乗ってほしいとのこと。奇異な雰囲気だったので警戒をしていると、彼女はこういってきます。
「私の彼氏がよりを戻したくて、押しかけてきているんだけれど、私はその気がないし…。で、以前の彼は隣の彼女の元に行ったから、そっちの男と一緒になりたいと思っていて…。」
「隣の彼女」とは誰のことなのか聞いてみると、なんと彼女の隣の部屋の住人。どうもご近所同士で男を交換したようなことをいうのです。さらに、私に上の階に上がってきて、男を説得してほしいとのこと。
トラブルに巻き込まれる雰囲気を察知したので、ここは逃げるしかありません。とっさに英語がよくわからないふりをして日本語の交じりの英語で返答をすると、彼女はプロのコメディアンである私の技に引っかかったのか、笑い出しました。そのとき私は気づいたのですが、彼女にはなんと歯がありませんでした。
それからも、部屋で爆竹をする、夜中の3時に大音量でゲームをする(銃声が聞こえたので私は飛び起きた)など荒業を繰り返し、ついに私は警察を呼びました。
警察が来てなにか話していたのですが、また翌日も同じような状況です。その後、何度も警察が私のアパートにやってきて、最終的に彼らは逮捕され、騒動は沈静化しました。
アパートへの不満
どうやら彼らはドラッグなどをやっていたようでして、それゆえ気分にムラがあったのかもしれません。都合、3ヶ月程度の騒動でしたが、今回の件は長い間住んでいたアパートを客観的に見つめなおすきっかけになりました。
私のアパートは家賃が安いゆえ生活に余裕があったのですが、考えてみると気に入らない点がないわけではありません。
- 共同の洗濯場に行くためにいったん外に出ないといけない。雪の多いミシガンでは拷問
- 安い家賃ゆえに、住人の質に疑問(他人のことを言えたものではありませんが)
- 10年以上住んでいるゆえに、部屋のカーペットが敷きなおされていないので、綻びが目立つ
- 野ざらしの駐車場。せめて屋根ぐらいは欲しい
- 水道が地下水(ミシガンでは一部水道が引かれていない場所も未だにあります)
といったところで、思い切って引っ越しを決めました。考えてみれば家賃が安いのも私が新入社員だったときの給与での家賃を想定しているので、現在では非常にラクな金額なのです。生活の質をアップグレードすべきときが来たと前向きに考え、私は引っ越し先を探し始めました。
引っ越し先の条件
私は新しい引っ越し先の条件として以下のような条件を考えておりました。
- 家賃は手取り収入の3割以内
- One bedroomで十分
- 場所は勤務先から車で15分以内
- 治安が良いところ
- 水道水完備
- 洗濯機はできれば部屋に備え付けが理想だが、共同の場合、同じ建物内にあるべし
日本ではよく家賃は「手取り収入の2割ないし3割」といいますが、アメリカでも同様で、一般的に25%から33%が推奨されるようです。
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アパート探しはインターネットを活用
デトロイト近郊には星の数ほどのアパートが並んでいます。私の勤務先から車で15分の範囲内といっても、沢山のアパートがあります。その中から、どうやったら一番理想に近いアパートが見つかるでしょうか。すべてのアパートを見て回ることは不可能です。手間をかけずに効率的見つける方法はないのか。私はインターネットでこれらのサイトを使いました。
上記のサイトでできるだけ同一条件を入力し、勤務先の周辺地域を検索。その中から出てきたアパートのReviewに目を通していきました。
アパート選びの難しいところは、同じアパートに住んでいるAさんとBさんでまったく違う感想になってもおかしくはないということです。住環境は私の場合のように隣人にも左右されますし、いくら快適でも家賃が自分にとって払えないような金額では不愉快です。
かといって家賃が安くても治安が悪いようでは考え物です。アメリカでは俗に「Ghetto tax」という言葉あり、家賃が安いところに住むと代わりに、自動車保険などが跳ね上がるなどの不具合が増えることを指します。
よって、単純に家賃が安いからといって、そこに住むわけにはいかないのです。
検索エンジンのReviewを入念にチェック
私は各検索エンジンから導き出された条件に合うアパートのReviewに目を通していくと、いくつかのアパートはどの検索エンジンでのReviewでも比較的高評価を得ていることがわかりました。今度はGoogleを使い、そのアパートのウェブサイトにアクセスし、家賃、間取り、住所などを確認。
実際にアパートを訪問
評判が良さそうだと分かると、私はわざと平日に休暇を取り、それらのアパートを直接訪ねました。なぜ、平日に行ったかというと、週末に訪ねるとアパートを見せてくれというリクエストが多く、アパート側にあまり良い対応してもらえない可能性が高いからです。
アパートを訪ね直接部屋を見せてもらうと、とあるアパートは踏切が近くにあり、夜中にうるさい可能性があることがわかりました。確かにReviewにも「踏切の音がうるさい」と書いてあったことを思い出します。実際、訪ねてみないわからないことがあるものです。
訪問をしていて、ひとつのアパートが心に残りました。洗濯機は部屋についてはいないのですが、ガレージ付きで、家賃も悪くありません。勤務先から高速道路を使わずに10分程度。Reviewも高評価を得ており、アメリカ人の友人たちに相談をしても、誰もその区域に住むことについて疑問を呈する人はおりませんでした。
管理会社に入居したい旨を申し出ると、
「入居は4か月待ちです」
とのこと。アパートを探して気づいたのですが、高評価のアパートは皆、入居に数ヶ月待ちなのは当たり前のようです。
Waiting Listに載せてもらい、おとなしく数ヶ月待ちました。また、その際に私はアパートの契約書のコピーをもらっておきました。家に持ち帰り、サインをする前に読み込んで内容を理解しておくためです。
アパートの契約内容に注意
アパートの管理会社によっては少々悪質な契約内容を契約書に盛り込んでいる会社もあります。
例えば、年間契約をすると家賃をディスカウントしてくれる。ただし、もしその際、契約を破棄すると残りの契約終了までの月数 × 家賃の合計を払わないといけないという条項を盛り込んでいる会社もあるのです。
これは会社の命令で動かないといけない駐在員が数多く滞在するアパートの管理会社で見られるトリックでして、どうしても契約する際はディスカウントをくれるとなると、借りる側は年間契約をしてしまいます。
しかし、いざ異動になると、残金全額を払わないといけない事態になるので、契約書はよく読んでおく必要があるのです。通常、契約を破棄した場合の違約金は、家賃1ヶ月〜2ヶ月分です。
私は自宅で契約書のコピーを読んでみて、特におかしな条項がないことを確認すると、安堵しました。
実はその待っている間に上の住人は逮捕されたので、引っ越すメインの理由はなくなってしまったのですが、乗りかかった船を下りるつもりはありません。待つこと3ヶ月半。やっと電話があり、入居した次第です。
まとめ
まだ住み始めてから1週間しか経っておりませんが、依然のアパートより広く、静かで清潔な内装に満足をしています。確かに家賃は上がりましたが、安全はお金で買うものという意識があるアメリカでは致し方ないことなのかもしれません。もし読者の方が今後、アパートを探すようなことがあれば、この記事を参考にしていただきたいです。
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この記事を書いた人
初めまして!日本の大学を卒業した後、米国の大学院に留学し漂流し続けること10数年。今年で米国生活16年目になります。お笑い好きの40男が加齢臭を漂わしながら、ミシガン州デトロイト近郊から海外生活と留学の知恵や経験をお届けします。