口コミだけで広がる「秘密」の日仏交流会!ストラスブールの欧日異文化友好会「RAMEN」とは?

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海外留学をしたときに、実は意外と現地の学生の友達を作ったり、一緒に出かけたり、交流をすることが難しいと感じる方も少なくはないのではないでしょうか。特に語学学校では当たり前ですが、クラスメートは全員外国人で、現地の人に会える機会も少ないです。フランス・ストラスブール大学には「秘密」の日仏交流会があります。なぜ秘密なのかと言うと、どこにも告知、宣伝されておらず口コミとメンバーの紹介だけで広がっている会だからそう呼ばれております。今回はそんなストラスブールにある日仏交流会をご紹介します。

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ストラスブールの欧日異文化友好会「RAMEN」とは?

RAMEN=ラーメンと言う名前に引っ掛かる方もいると思います。実はこの名前は会を設立したフランス人、日本人学生が「面白くて覚えてもらえる、日本ぽい名前を」という願いを込めて付けられた名前で、正式名称は「Rencontres Amicales Multiculturelles Euro-Nippones」といいます。日本語での名称は「欧日異文化友好会」となります。

RAMEN設立までの歴史

最初は日本人学生と交流がしたい日本語学科のフランス人大学院生と、ストラスブールに留学生として来た日本人学生が、交流を持てる場を作ろうと、ストラスブール大学にある日仏大学会館で会話サークルを開催し、日本語学科の大学院生が色んなイベントを企画していたことが始まりでした。

その後、彼らは日本に留学してしまい、残った日本人学生が、他の日本に行ったことがあり日本人の親切に感動した3人のフランス人と一緒に、2012年、RAMENを設立しました。

さらに日が経ち、その彼らも日本に旅立ち、残った日本人学生がストラスブール大学で勉強を継続しながら、現在もストラスブールで日本語を勉強するフランス人学生と、フランス人の友達を作りたい日本人の方のために、この会を継続しています。

RAMENの活動

RAMENの様子

RAMENは基本的にカフェで日本語会話サークルを開催しています。日仏交流会なので勘違いされる方もいますが、基本的にこの会は日本語会話の会です。以前は毎週開催されておりましたが、最近は隔週で開催されています。

また、以前は会話サークルだけではなく、日本食パーテイや、クリスマス会のような会も開催されておりました。

RAMENの日本語会話サークルでは1回2時間、1時間ごとにテーブルを代えて多くの知り合いができるようになっています。参加者は10人から多いと40人ほどになります。各テーブル、日本人学生とフランス人学生の数の割合が半々ほどになっています。

日仏交流会に参加するメリット

RAMENは日本語会話サークルですが、そこには日本人留学生にもメリットがあります。

留学当初は日本人学生もフランス語があまりできません。また、フランス人の友達を作ることは簡単とは言えないこともあります。ですが、日本語を勉強している学生であれば、日本人の友達が欲しいと思っている学生も多いので、ここに来るとすぐにフランス人学生の友達ができます。

会話サークルのときは日本語ですが、その後一緒に遊びに行ったり、お茶をしに行ったり、タンデム(ランゲージエクスチェンジ)の相手を探したりできます。

また、日本語学習者の中には日本語がまだまだな学生も多いので、そういう学生さんとは、最終的に会話サークルでもフランス語も使うことが多いので、お互いの語学のためにもなります。

語学学習や友達作り以外にも、RAMENに参加することで、たまにアルバイトやボランテイア募集の情報やイベントの告知もできます。今までに日本語学習中のフランス人学生や、日本人留学生がアルバイトやボランテイアで参加したイベントは以下のようなものがあります。

  • コルマールSITV(国際観光博)観光庁ブースのお手伝い
  • コルマール NHK国際交流祭 ボランテイアスタッフ
  • 日本カルチャーのイベント、ストラスブールJapan Addict内 Midori Matsuri ボランティアスタッフ

留学生活だけでは味わえない、色々な経験ができる機会を与えてくれます。

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「秘密の」日仏交流会の理由

RAMENは「秘密の」日仏交流会という方もいいるのですが、それは恐らくどこにも告知していないからです。

理由としては、この会は、あくまでも日本語学習中のフランス人学生に、少しでも日本語や日本人との交流を持ってもらうことが目的で、ただ単にフランス人の友達を作りたい、フランス語の練習がしたい日本人学生や、日本語はできないけれど、日本人に会いたいというフランス人などが参加してしまうと、会話サークルとしての秩序がなくなってしまうことがあるからです。

ですので、会の意図に賛同した上で実際に参加し、その参加した学生が「この会良いよ!」と友達を誘って来てくれる。そんな会でありたい、という願いから、わざわざ告知したり広告を出すことはしていません。

日仏交流会を運営する上での苦労

設立当初はフランス人1人に日本人が10人だったり、フランス人が10人で日本人が2人だったりと比率が悪く、会話サークルとして成立させるのが大変でした。

今でこそうまく行っていますが、それでも、会話サークルで日本人留学生とフランス人日本語学習者の比率がアンバランスにならないよう、事前登録などをして人数の調整するなど、裏で色々な仕事があります。

また、日本人留学生の中には、挨拶も「ありがとう」の一言もない失礼な方もいるので、運営者は虚しくなることもあります。さらに、フランス人学生が毎年「日本人学生は留学生活中、最終的に一緒に固まっていることが多い。」とか「留学中に旅行ばかりしてストラスブールにあまりいないこともある。どうしてなのか聞くと『フランスだから!(C’est la France!)』という答えが返ってくる」という話をもよく聞きます。

せっかく「日仏交流会」で友達を作っても、その例外で日本人ばかりで固まっていると聞くと悲しくなります。

日仏交流会を運営する上での喜び

運営は色々大変で、悲しい思いもしますが、良いこともあります。

まず、運営を通じて多くの人々と出会うことができます。継続することで噂が広がり、毎年誰かから連絡があり「今年の会話サークルはいつですか?」という問い合わせがあります。楽しみにしてくれる人が多いのです。

また、何年も継続していくと、会話サークルによく通っている学生の中で、その後日本に留学していく学生もおり、そういう姿を見ると、会話サークルがあることで日本語学習のモチベーションになっていることを実感できます。

今後のRAMEN

「秘密」の日仏交流会と言われていたRAMENですが、ここでこうしてその話を書いてしまうと、もう秘密ではなくなってしまいます。どうしてこのタイミングで日仏交流会を公にしたのでしょうか。

実は主催者が来年度には学生でなくなる可能性もあり、この長く続いたRAMENもなくなる可能性があるからです。そうなると今後の継続も不可能になります。

だからこそ、最後にこういう会があり、そして、こういう会を自らが開催し、その国の日本語学習者や日本文化に興味のある方のために何かしていこう、ということは可能だということを伝えたかったのです。

最後に

海外で現地の友達を作ることは簡単ではないことがありますが、そういう環境を自分で作ると言うことも実は可能です。どの国にも日本語学習者はいますし、日本語学習者は日本人の友達を探していることも多いです。

そういう友達を見つけることも大事ですし、そういう友達が作れる環境を作ってあげる、というのは留学時にとてもすばらしいことなのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

Coquelicot
Coquelicot

12歳からフランス、イギリス、イタリアに留学し、語学留学、大学留学、大学院留学、と様々な留学を経験。ロンドンの語学学校に務めた後、現在はフランスの大学院で語学学習についての博士論文を書いています。

http://ameblo.jp/vindalsace/

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