心温かい街ヨークで日本の文化を発信ーートビタテ!留学経験者インタビュー Vol.7
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ヨーク大学は「留学する?しない?」で迷っている人にオススメ!?歴史的な街並みの中にあるヨーク大学で、トビタテ!留学JAPAN日本代表として日本の文化を発信してきた女子大生の留学経験インタビューです。
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今回インタビューしたトビタテ生
鈴木茉里さん
津田塾大学学芸学部英文学科4年生です。上の画像で、左から2番目です。トビタテ!※のプログラムを通じて、ヨーク大学に1年間の留学を経験しました。
※トビタテ=トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム。官民協働の留学支援制度で、返済不要の奨学金が給付される。
大切なのは「物語」にして伝えること
ーー では、インタビューを始めさせていただきます。日本にはいろいろな奨学金制度があると思うのですが、その中でもどうしてトビタテを選ばれたのですか?
あんまりいい理由じゃないかもしれないんですが、大学の留学担当者の人にトビタテ受かると社会的にハクがつくって言われたのと、頂ける奨学金の額が多いということです(笑)。最初は結構軽い気持ちで受けました。
ーー トビタテって選考が厳しいイメージがあるのですが、応募する際や面接で何か気を付けたことってありますか?
やりたいことや自分の思いを論理的に伝えるように努力しました。単に「留学したいんで、させてください!」ではなくて、きちんと物語にして伝えるというか。この留学が、どのように将来やりたいことにつながるのかを伝えられるような物語にしました。でもまさか本当に受かるとは思っていなかったので、大学内選考で受かった時よりもびっくりしましたし、嬉しかったです。
ーー 実際の選考では、鈴木さんの思いをどんな物語にして伝えたんですか?
最初に、将来私は英語の教師になりたいと伝えました。それから、「私が学びたい教育学、特にモチベーションは津田塾大学では学べないので、留学することでそれらを実践の経験から学びたい。」「様々な国から来ている学生とともに教育学を学ぶことで、教育の視野が広がったり、日本の教育の良さや改善すべき点を見つけられると思う。」と。
そして最終的に、「留学を通して理論と実践から迫ったモチベーションや教育学の知識・経験はきっと将来教員になった際に効果的だと思います。自分の中での教育の引き出しが増えると考えるからです。」と結論づけました。
ーー もともと留学したいと考えていたのですか?
大学1年生の時は留学のこととか全然考えてなかったんですけど、周りの友達が留学に行っているのを見て意識するようになりました。英語があまり得意ではなかったので、長い間勉強して4年生の秋から留学に行きました。
ーー なるほど、ではどうしてイギリスを留学先に選ばれたのですか?
英語圏に行きたいとは考えていたんですけど、アメリカは正直考えていなかったですね。というのも、やっぱり銃が怖かったからです。
実は大学入ってから一回だけ語学研修でイギリスに行ったことがあって、その時にすごくいい経験ができたんです。なのでもう一度、留学という形でイギリスに行ってみたいと思ったのが理由です。
歴史的な街、ヨーク
ーー ヨークってどんなところなんですか?
歴史がとても長い街なので、白人の方がすごく多いです。もちろん大学内は国際的なのですが、街に出てみると移民の方はほとんど見かけません。ザ・イギリスって感じです。
ーー なるほど、やっぱり町並みなども歴史を感じさせるものなのですか?
そうですね!城壁があったり、建物のほとんどはレンガ造りなので、古代ローマとか、そんなイメージです(笑)!地元の人たちもそんなヨークの街を誇りに思っている人が多いです。
ーー ヨーク大学の魅力を教えてもらってもいいですか?
国際色豊かな大学です。世界中、いろんな国からたくさんの留学生が来ているのでたくさんの出会いがあります。また、大学のレベルがとても高いなぁと感じました。有名な教授先生もたくさんいました。
ーー 日本の大学とヨーク大学は大きく違いましたか??
そうですね。結構大きく違うなって思うところが多かったです。まず東京の大学との違いなんですが、ヨーク大学は自然がすごく多いです。池の周りに建物があったり、緑も多いし、ずっと鳥と共生している感じです。
また、授業の受け方も大きく違うと感じました。日本の大学の多くはいわゆる「聞く授業」が多いのですが、ヨークでは「全員参加型授業」です。授業の多くは先生の講義・学生のプレゼン・ディスカッションの3本で構成されていることが多く、学生にとっては毎回内容の濃い授業になっています。
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準備万端のはずが、一番下のクラスに…
ーー 鈴木さんは留学中苦労されたことってありますか?
そんなに目立った苦労はしていませんが、強いて言うならやはり英語ですかね。日本で1年半くらいかけて英語を猛勉強したので準備万端のつもりだったのですが、いざ留学に行ってみると最初は全然でした。
英語のクラスでは一番下に入れられて、すごくショックでした。日本にいるときは結構できるほうだと思っていたので…。
ーー やはり、言語の問題ですか。
英語ができないために授業でも発言できないし、自分の性格が内向的なところもあったために友達もできないし、っていう負のループに入っていました。当時は落ち込んでばっかりでした。
ーー あの…鈴木さん十分苦労されてますよね(笑)。
ほんとだ(笑)。結構苦労してましたね。
ーー では、その逆境をどのようにして乗り越えたんですか??
とにかく、英語に触れる時間を増やしました。毎朝、起きたらBBCでニュースを見てリスニングをしていました。個人的にはニュースを見ることはとても効果的だと思うんです。というのも、ニュースでは天気予報やその日の出来事などを放映しているので、身の周りで使うような英語を聞くことができるんですよね。
日本の「紙すき」でヨークと福島をつなぐ
(↑紙すきイベントでのメッセージカード。)
ーー 留学中、鈴木さんが積極的に取り組まれていたことはありますか?
日本文化を発信するようなイベントを企画することが多かったですね。
ーー 先ほどはご自分が内向的だと仰ってましたが、すごいですね!
あ、留学序盤はなかなかできずにいたのですが、ある人との出会いが自分を大きく変えてくれたんです。英語のクラスで一番下になってしまったということは先ほどもお話ししましたが、その時のチューターの女性です。
(↑チューターの女性と一緒に。)
その方は、「とにかく、やってみなさい」「挑戦してみなさい」「今やらないと後悔するよ」と常に自分に言っていました。彼女の言葉は何事にも遠慮しがちだった当時の私を動かし、やったこともないバイオリンを始めてみたり、クリスマスパーティーを企画してみたりと、とにかくいろいろなことに挑戦するようになりました。せっかく日本の外に来ているのだから日本の文化を発信してみようと思ったんです。
ーー 素晴らしいですね!
いろいろやったのですが、その中でも嬉しくて心に残っているのは紙すきのイベントです。
ーー 紙すきですか。
ヨークの学生に紙すきを体験してもらい、メッセージカードを作り、そこにメッセージを書き込んで、3.11で被災した福島の高校生に送るというイベントでした。
紙すきという日本の文化を発信すると同時に、日本で起きた地震のことをもっと知ってもらおうと思って企画しました。というのも、ヨークでは日本の地震による直接的な被害よりも原発の報道が先走ってしまったという背景があり、地震のことをあまりよく知らない学生が多かったんです。結果的にヨーク、福島両方の人々の反応がすごく良くて嬉しかったですね。
ーー 実際に学生からはどんな反応があったのですか?
ヨーク大学からは100人もの学生が参加してくれたんです。多くの学生が「日本にはこんな素晴らしい文化があるのか!」と言ってくれたので、やってよかったなと思います。
福島の高校生もヨークの学生から手紙をもらったことで、「もっと英語を勉強してみようかな」っていう声も多く聞かれたので、成功ですね!
鈴木さんのネクストステップ
ーー 1年間のイギリス留学を経て、この経験をこれからどう生かしていきたいですか?
留学を経て、将来の夢が固まったような気がします。もともと、大学を卒業したら大学院に行くつもりだったのですが、留学後もその気持ちは変わっていません。ただ、今回トビタテ!を通して日本の文化を海外に発信するとてもいい経験ができたので、将来はそんな学生をサポートできるように文部科学省で働きたいなと思っています!
編集部コメント
ヨーク大学があるヨークはとても心温かい人が多い街であるようです。シャイな人が多いと言われている日本人でも、すぐに溶け込むことができます。最初は内向的だった鈴木さんも、ヨークの地で自分の隠れた才能を開花させました。留学に行ってみたいけど、留学が不安、心配だという人はぜひヨーク大学を選択肢に入れてみては?
インタビュアー
アブログインターン生 / Sai Takao / 早稲田大学3年
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