過激な歌詞にびっくり!フランス国歌「ラ・マルセーズ(La Marseillaise)」
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今年はフランスでサッカーの国際試合があったり、テロ事件でみんなで団結をしようと例年より多くあちこちで聞こえてくるフランス国歌ですが、一体どんなどんなことが歌われているのでしょうか?
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フランス国歌「ラ・マルセーズ(La Marseillaise)」の歴史
フランス国歌「ラ・マルセーズ(La Marseillaise)」の作詞と作曲は、クロード・ジョゼフ・ルージェ・ド・リール(Claude Joseph Rouget de Lisle)と言われています。
リールはフランスのブルゴーニュ=フランシュ=コンテ圏のジェラ県に生まれ、軍の学校で教育を受けた後、軍隊に入りました。
もともとが音楽が好きだったこともあり、ストラスブールの市長の依頼による軍の士気を高める行進曲「ライン軍のための軍歌」の作曲をすることに。完成後、ストラスブールの市長が軍の司令官にこの曲を贈ったところ、この曲があまりにも素晴らしかったため即採用されました。
その後、フランス革命の時代にマルセイユ義勇軍がこの曲を採用し、パリ入城の際に歌っていたことで有名になりました。その後、名前を「ラ・マルセーズ(マルセーズの行進曲)」に変更し、1795年の7月14日、とうとう正式な国歌にまでなってしまいました。
ナポレオン1世の時代から、フランス国歌の歌詞に「悪い君子を倒せ!」という歌詞があるため、特別な場合を除いて歌うことをしばらく禁止されていた時代がありましたが、フランスの7月革命(1830年7月)の後、自由に歌うことができるようになりました。
その後、フランスの作曲家でロマン派のベルリオーズが、オーケストラの曲として「ラ・マルセーズ」を編曲しました。現在歌われている合唱も、そのときのベルリオーズの編曲バージョンです。
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ラ・マルセーズの歌詞
歌詞は1〜7番までがありますが、歌詞はリールだけが作ったわけではないと言われており、特に7番の歌詞は誰かが後につけた歌詞で作者は不明とされています。以下は1番の歌詞になります。
Allons enfants de la Patrie, Le jour de gloire est arrivé! Contre nous de la tyrannie, L'étendard sanglant est levé, L'étendard sanglant est levé, Entendez-vous dans les campagnes Mugir ces féroces soldats? Ils viennent jusque dans nos bras Égorger nos fils, nos compagnes!
意訳
行け!我が祖国の子供達よ。 輝く日が来た。 暴君が我らに血の旗を掲げた。聞こえるか?戦場の残忍な敵の吠えたける声を! 私達の妻子の喉を切り裂く!
Aux armes, citoyens, Formez vos bataillons, Marchons, marchons! Qu'un sang impur Abreuve nos sillons!
意訳
市民よ 武器を取り、隊になれ、進め!進め!私達の畑が汚れた血に満たされるまで
フランス国歌は聞いているだけでは日本人にはさらりとカッコよく聴こえますが、本当はとてもひどい戦いそのものの歌です。よく聴く1番からフランス革命の血で血を洗う戦争の様子が歌われ、暴君や敵から、妻子を守るために武器を取り、市民よ!戦え!という、もの凄い過激な歌詞に驚きます。
実際に、アルベールビルオリンピックの開会式で少女が鳩を飛ばして、この曲をアカペラで歌ったために賛否両論がありました。確かに愛国心や士気を高めるのにはとても良い曲ですが、歌詞が時代に合わない血で血を争う戦いの血ぬられた歌詞は、現在の平和を愛するフランスでは微妙な国歌となりつつあります。
特にテロ事件の追悼で歌われる国歌は、テロに屈しないという強い戦いの気持ちと、本当は平和な解決を望んでいる気持ちなどが入り乱れて歌われています。
まとめ
フランスに来ると移民局のカリキュラムで、フランス国歌を何回も聞かされたり、国歌の歴史から歌詞の内容まで、フランス語での説明が何回もあります。その機会に、ぜひ、フランス国歌の歌詞をじっくり読んで見ると、昔と今のフランスの違いが見えて考え深いものがありますよ。
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この記事を書いた人
フランスに移住して、3年半が過ぎました。海外経験が全くない・フランス語が全くできないまま、フランスに長期に住むことになりました。フランスのさまざまな文化や生活などの魅力的な情報をお届けします!
http://www.marmiton.org/