あなたの知らないオーストラリア留学!パースはお得?TAFEって何?ーーオーストラリア留学フェア2016レポート
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「オーストラリア留学」とひとくちに言えども、そのバリエーションは幅広い!思いつくだけでも、シドニー、メルボルン、ブリスベン、パース、アデレード…どの都市がいいのか迷いますよね。そもそもなぜオーストラリア留学?今回は、そんな疑問がすべて解決してしまう「大使館主催オーストラリア留学フェア」をTHE RYUGAKU編集部が取材しました。
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オーストラリア留学フェアとは
2016年10月8日(土)に秋葉原UDXにてオーストラリア大使館主催のオーストラリア留学フェア2016が開催されました。オーストラリアの語学学校、小中高学校、大学・大学院、専門学校、ワーキングホリデーなどさまざまな目的の留学を叶えるためのきっかけ、サポート、出会いを得られるイベントです。
この留学フェアは、留学先としてのオーストラリアの魅力を伝えることを目的に、2014年から始まりました。オンラインの時代ではあっても、オーストラリアの教育機関と「直接」会って話す機会を設けることで不安を取り除き、安心して留学を検討できる環境を作ることが、このイベントの目指すゴールです。
会場は、以下の6つの州ごとのエリアと、IELTS・英検・日本学生支援機構(JASSO)から成るエリアに分かれ、55の学校・団体のブースが集まりました。
- ビクトリア州(VIC)
- ニューサウスウェールズ州(NSW)
- 西オーストラリア州(WA)
- ACT・タスマニア州(TAS)
- 南オーストラリア州(SA)
- クイーンズランド州(QLD)
加えて、留学体験者談話コーナーや、3つの州(QLD、WA、VIC)の州政府担当官相談コーナー、そしてどのブースにも日本語で対応可能なスタッフがいるため、初心者でも気軽に留学の相談ができるような工夫がされています。
会場には左右の奥にメインセミナー会場とミニセミナー会場があり、それぞれバラエティー豊かなセミナーが開かれます。他の留学イベントと比較しても、会場が2つもあってセミナーの種類と開催回数もとても多く、このイベントの大きな特徴といえます。
メインセミナー会場のプログラム
- 15分で分かる!オーストラリア留学
- プロと経験者から聞く!小中高留学の魅力
- 留学を支えてくれる、奨学金と教育ローン
- プロと経験者から聞く!大学・大学院留学のススメ!
- プロと経験者から聞く!ワーホリや専門学校に行く、という選択
- オーストラリア留学を就職・キャリアに活かすには?
各州の魅力を知ろう!ミニセミナー会場のプログラム
- タスマニアで人と違う留学をしよう!
- 首都特別地区(キャンベラ)
- クイーンズランド州 〜大学留学編〜/〜専門留学編〜
- ニューサウスウェールズ州
- ビクトリア州 就活のための留学・WHの活用法/ビクトリア州政府による留学生サポート
- 西オーストラリア州 〜なぜパース?パース留学をおススメする10の理由〜
- 南オーストラリア州
今回取材を担当したのは、早稲田大学3年の佐藤果歩です。私自身、治安がよく自然豊かなオーストラリアでの留学に強い興味をもっています。この記事では「オーストラリア留学フェア2016」の魅力と、私が参加した「西オーストラリア州のミニセミナー」の内容、そして日本ではまだあまり知られていないオーストラリア専門学校「TAFE」留学についてご紹介します。
会場到着・受付
会場となった秋葉原UDX アキバ・スクエアは、秋葉原駅の出口から出てすぐ見つかる大きな建物の、ガラス張りの部分。受付でパンフレットを受け取り、いざ入場です。
見渡してみると、会場全体が州ごとに色分けされたブースが並び、とても色鮮やか。来場者は主に高校生、大学生とその保護者が多く、中には小中学生の姿も。どのブースもセミナー会場も人がたくさん溢れていて大変賑わっています!
写真左側の水色のTシャツを着ているスタッフは、留学カウンセラーの資格をもつ「ナビゲーター」。どのブースへ行けばいいのか迷ったときに助けてくれる強い味方です。
ミニセミナーに参加 パースの魅力に迫る
ちょうどミニセミナー会場が入れ替わりの時間だったので、最初にミニセミナー「西オーストラリア州〜なぜパース?パース留学をおススメする10の理由〜」に参加しました。このセミナーでは西オーストラリア州政府(StudyPerth)の方が、オーストラリアの中でもパースを選ぶべき理由について、20分間で語って下さいました。
私がパースに魅力を感じていたのは「治安が良い」からという漠然とした理由だったのですが、このセミナーでたくさんの魅力があることが分かりました!ここで10の理由すべてをご紹介することはできないので、特にみなさんにお伝えしたいポイントを5つに絞ってお伝えします。
1.時差が通年1時間のみ
留学するにあたって、時差を気にする人はあまりいないかもしれません。私もその一人でした。しかし、グローバル化が進む中、通信技術も発展し無意識にそれらに頼って生活している私たちにとって、日本との大きな時差はかなり障害になります。
オーストラリアにはサマータイムを取り入れる都市も多いのですが、それでもパースは通年1時間のみ。時差がたった1時間であれば、生活上の大きなストレスがなくなります。
2.留学生のバランスの良さ
オーストラリアには色んな国の留学生がいることで有名です。ですがパースなら、そこに「バランスの良さ」が加わります。オーストラリアの他の州と比較すると、アジア圏からの留学生が8割近くに上ることもありますが、パースなら7割を切ります。アジア圏だけでなく、その他の地域ブラジル、コロンビア、パキスタン、イタリア、イギリス、アメリカ、サウジアラビア、ネパール、ブータン…といった国々からの留学生とも一緒に学ぶ機会が多くあるのがパースの魅力です。
また、パースでは「インターナショナルステューデントフェスティバル」といって、パースで勉強する留学生と学校を超えて交流する機会があります。自分の学校では出会えない留学生や、関わりのない分野を勉強している留学生と出会えます。
3.現地の学生と同じ学割が適用する街
パースでは留学生も、現地の学生と同じように同じ場所で同じ4割引きの学割を受けることができます。特に注目したいのが、交通費。ほぼ毎日かかる費用のため、甘く見てはいけません。
パースでは学生用スマートライダーを使って、全公共交通機関が乗り放題です。また、学生の集まる主要の街ではCAT(キャット)という無料巡回バスも走っています。これで年間800〜1,000ドル(約7〜8万円)の節約になると言われています。大きいですよね!
4.アルバイトの時給が高い!
パースの平均時給は19.70豪ドル、日本円にしてなんと約1,560円!!オーストラリア全土の最低賃金が17.70豪ドルとただでさえ高いのですが、西オーストラリア州パースならさらに高くなります。
このため43.6%の学生がアルバイトを経験しているというデータも出ています。アルバイトをすると現地コミュニティーの一員になれるため活動・交流の幅が広がる上、英語力のさらなる向上も期待できます。
5.再開発による雇用機会の増加
西オーストラリア州では豊かな資源を活用した産業の発展と、それに加えてパース各地の再開発によって国内最大の経済成長を見せています。特に中心地のスワンリバーの再開発事業は大きな活気をもたらしています。
それにより雇用は年々増え続けており、今後もさらに増えていくことが予想されています。パースで留学し、その後もパースで住み続けたい、働きたいと思ったときにも多くの可能性があると考えられます。将来性を考えても、パースはオーストラリアの中でも魅力的な都市だといえるでしょう。
その他のセミナーもぜひ聞くべき!
パースがこんなにエネルギーのあふれる都市だということを、みなさんはご存知だったでしょうか?そんな、少し見落としがちな各都市の魅力をたった20分でちゃっかり知ることができるミニセミナー。一回のセミナーで得られる情報量と満足度はとても高いです。次回はぜひすべてのセミナーに参加したいと思いました!
※オーストラリア各州の特徴は、オーストラリア留学フェアのページでも紹介されています。
ブース巡り「TAFE」の魅力に迫る
セミナーが終わり、再びブースの方に戻ると、会場はさらに賑やかになっていました。どのブースもとても混んでいて、列ができているブースも数多く…。
そこで今回は、私が最近その存在を知った「TAFE」というオーストラリア公立の専門学校にフォーカスしてブースを回ることに!TAFEはオーストラリア各地に存在する公立の専門学校で、提供する主なコースやそのクオリティはどこも同じですが、勉強できる科目は都市によって少し異なります。そのためこのイベントでも各州のTAFEがそれぞれブースを構えていました。
今回はブースを出していた「TAFE International Western Australia」「TAFE SA」でお話をお聞きしました。
TAFEとは?
TAFEはオーストラリア各州で運営されている公立の職業訓練専門学校です。様々な職業のスキルを身につけるための多種多様なコースが設置されており、現地の学生の間でもとても人気のある選択肢として身近な存在。つまり、「留学先で現地の学生と学びたい、でも大学の授業はなんかピンと来ない…もっと将来に直接つながるスキルを身につけたい!」という人にオススメなのが、TAFEです。
TAFEでは半年ほどで「Certificate」、一年ほどで「Diploma」の取得が可能。卒業後この資格を手に、様々な道に進んでいきます。
また、TAFEは現地の大学への編入を目指す学生の選択肢としても人気です。なぜならTAFEで取得した「Certificate」「Diploma」が大学の単位として認められ、一部の単位免除で編入することも可能だからです。そのメリットはズバリ費用。大学に4年間通うよりも、安く済むのが大きな魅力になります。
TAFE International Western Australia
最初にミニセミナーにてパースの魅力にすっかり感動してしまった私は、まず西オーストラリア州エリアのTAFEブースに行くことにしました。「TAFE International Western Australia」は、TAFEおよび小中高校と連携して留学生の募集と入学、留学生対象のコースを担当する機関です。
大学編入のメリットは進路と学費
西オーストラリア州のTAFEの特徴として紹介していただいたのは、エディスコーワン大学(Edith Cowan University)への編入です。パースにあるこの大学は、大学でありながら実践的なプログラムが組まれているのが特徴。例えばビジネス科目を専攻すると、銀行、石油会社、医療機器メーカー、コンサルティング会社、現地市役所といった現地企業でのインターンシップができる単位を選択できます。専攻がホスピタリティならば、一流ホテルでのインターンシップが必須に。卒業後はインターンシップ先の企業にそのまま就職する学生もいるそうです。
名称 | Edith Cowan University(エディス・コーワン大学) |
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国・都市 | オーストラリア / 西オーストラリア州 / パース |
学校形態 | 大学大学院 |
住所 | 270 Joondalup Dr, Joondalup WA 6027 オーストラリア |
電話番号 | +61 8 6304 0000 |
公式サイト | http://www.ecu.edu.au/ |
口コミサイト | https://ablogg.jp/school/10403/ |
そんなエディスコーワン大学にも、TAFEから編入できます。TAFEを卒業後に大学へ編入することで、少人数で手厚い留学生サポートのあるTAFEの環境から留学生活を始めることができる上、大学卒業まで学費が、大学1年次へ直接入学する場合と比べて約130万円抑えることができるのです。
TAFEの担当者の方は、「まだまだ日本ではTAFEの存在を知る人が少ないので、もっと多くの人にこういった編入システムも含めて知ってもらいたい。」と話していました。海外大学への編入を考える方は、ぜひ候補に入れるべき道ですね。
TAFE SA
続いて、TAFEには各州でどんな違いがあるのか知るため、アデレードにある「TAFE SA」のブースへ向かうことに。とても明るいスタッフの方がお話して下さいました。
TAFEのブースに相談に来るのはどんな人が多いのでしょうか?アデレードのTAFEにはどんな特徴があるのでしょうか?
TAFE SAのブースの方のお話
「このブースにいらっしゃる方は、大学生4割、高校生4割、その他2割ですね。TAFEは公立なので地域間にコースの内容・質にそこまで差はないですよ、むしろあってはいけないので。大学への編入ももちろん可能ですし。私がアデレードをオススメする理由は、家賃の安さですね。週に160〜180ドルで一人部屋で暮らせます。シドニーやメルボルンだと、シェアルームくらいの値段になります。」
「TAFEに留学するためには、基本的にIELTS5.5が必要です。大学に留学する際よりも低くても大丈夫なんですね。また、もし5.5に達していなくても、TAFEには英語学校もあって、先に英語学校で必要とされる英語力を身に付けてから、TAFEの本科へ進む留学生もたくさんいます。英語学校の場合は5週間ごとのコースで提供しているので、みなさんにあった留学プランを見つけてほしいです。」
TAFEは「私立専門学校の専門性や実践的な学び」と、「英語力を集中的に磨く英語学校」と、「現地学生と一緒に学べる大学の授業」というそれぞれの良い側面を同時に持ち合わせている学校であるようです。そして学費が比較的安く、将来の道も多様です。
どの州のTAFEを選ぶかは、個人的にコースガイドから自分の学びたい分野、その開講期間、学費を詳しく比較することが必要になりそうです。またそれぞれの州がどんな特徴をもっているのかの調査も大切になっていきます。自分が生活したいと思う州のTAFEのコースから見てみることをおすすめします。
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留学体験者談話コーナー TAFE留学経験者のお話
最後に、留学体験者談話コーナーにて、実際にTAFEで留学を経験した方にお話を伺いました。
どうしてTAFEを選んだのでしょうか?そして留学を終えて、TAFEのどこが良いと感じられたのでしょうか?
「私はもともと日本で幼児教育に携わって働いていたのですが、そのうちに外の世界を見てみたいという気持ちが強くなって、最初ワーキングホリデーを使ってオーストラリアに来ました。まずは私立の専門学校で、やはり幼児教育を勉強したのですが、もっと勉強したいと思い、TAFEに入学することにしました。」
「私立の専門学校にも、良いところはたくさんあったのですが、やっぱりTAFEは公立なので授業の質や、実習の制度など、質がとても高いと思いました。校舎も『学校』という印象のとてもきれいな建物でした。TAFEには図書館もありますし!街の中の色んな施設に見学させてもらうこともできました。そういった点で、TAFEの満足度は本当に高かったです。」
TAFEに入学すれば、充実した施設・環境の中で、しっかりとした質の教育を受けることができる。これが私立と公立両方の専門学校での留学を経験した方の声でした。また、学生だけでなく、一定のスキルや専門分野をもった社会人にとっても、TAFEはチャレンジしやすい留学のカタチと言えるかもしれません。
最後に
どのブースもとても賑わっていたため、今回は多くのブースを回ることはできませんでしたが、ご紹介したブースの他にも奨学金情報、英検・IELTS情報を提供するブースや、さまざまな資料を提供するブースがありました。
アンケートを記入した来場者には、先着でコアラのマーチがプレゼントされました!その他にも各州政府からは、iPad mini(抽選)や奨学金(抽選)、スマホ専用スピーカー、オリジナルGoogle Cardboardなどのプレゼントも用意されており、来場者がわくわく楽しめる工夫もたくさん見られました!
大使館商務部の方にインタビュー
フェア終了後、このイベントを主催されたオーストラリア大使館の商務部の方にお話をお聞きしました。このイベントにかける思いや、留学成功の秘訣とは?
ーー このイベントの運営に携わる理由は何かありますか?
参加者から「オーストラリアに留学したくなった」という声を聞くことが出来、一人でも多くの方にオーストラリア留学の魅力を知って頂ければ嬉しいです。自分の可能性を最大限伸ばしたいと望む人は、ぜひこの留学フェアをきっかけとし、オーストラリア留学をして、将来グローバルな活躍をしてほしいと思っています。
ーー なぜ留学先にオーストラリアをオススメしますか?とっておきの理由を教えてください。
アジアに最も近い英語圏で、教育レベルが非常に高いことです。オーストラリアには41校しか大学がないのにも関わらず、QS世界大学ランキングの中で、7校がトップ100にランクインしています。6校に1校が世界トップ100校に選ばれている、この割合はアメリカやイギリスを抜き、世界トップです。
また、オーストラリアの大学はほとんどが国公で、国家法により教育内容、施設・設備・サポート体制などの質の保証がされているため、大学間格差が少ないのも特徴です。
それから、時差も少なく治安がよく暮らしやすいことです。オーストラリアは世界でもっとも暮らしやすい国のひとつと言われる先進国なんです。治安、気候などにすぐれ、安心して暮らせる環境だといえます。
ーー では最後に、オーストラリア留学を成功させるために最も必要なことは何でしょうか?
まずは留学の目的を持つことだと思います。何を学びたいか、それをどう活かしたいかを考えて留学すると身に付くものが変わってくると思います。
また、オーストラリアは国民の4人にひとりが海外生まれ、または親が海外生まれという日本とはまるで異なる多文化共生社会であるため、異文化への理解を深めることも大切です。
逆に、このような多国籍国家であるからこそ、そこで話される英語は分かりやすく、英語初心者も安心して勉強をスタートできるというのもオーストラリアが留学先として人気である理由の一つでもあります。
編集部コメント
いかがでしたか?オーストラリアには各州それぞれの魅力がつまっています。オーストラリア全体をまとめて見るのではなく、まず州の特徴と魅力を知れば、オーストラリアが見どころがたくさんある、面白い国だとより気づくことができるのではないでしょうか。
そして、「留学といえば大学か語学学校かの二択しか考えたことのなかった」というような方には、ぜひTAFEも選択肢の一つに入れてほしいです。オーストラリアのイメージも、留学の考え方も大きく変えてくれたのが、今回のオーストラリア留学フェア2016になりました。
ライター
佐藤果歩(さとうかほ)/ 早稲田大学3年 / アブログインターン生
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