スペインで学費が無料の小学校「コンセルタード(concertado)」入学体験記

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Gobierno Aguascalientes

スペインの小学校には「公立」「私立」、そして国が補助する実質学費が無料の私立校「コンセルタード」があります。今回は9月からスペイン・マラガのコンセルタードに入学した小学校6年の娘の新学期の様子などご紹介します。

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入学説明会やオリエンテーションはない

6月に入学手続きをした筆者ですが、そのうち学校から連絡が来ると思って放置していたら、もう9月。さすがに心配になって電話で確認すると新学期は9月12日の朝9時からです、と簡潔なお答え。

筆者の娘はこれまで日本とスペインのインターナショナルスクールへ通っていたのですが、日本国内のインターナショナルスクールの場合、転校生と新入生のためのオリエンテーションがあったり、公立学校の場合は担任の先生とお会いして必要なものを聞いたりというプロセスがあっただけに、新学期の準備をどうするか、途方に暮れた筆者でした。

ちなみにスペインのインターナショナルスクールは事務のスタッフが教科書から制服まで丁寧に準備してくださいました。

制服を揃えるのは自己責任

そもそも9月に始まる学校の制服を9月になって買うこと自体あり得ない話ですが、スペインでは普通のようです。街にある唯一のデパートの制服特設コーナーはまだガランとしていたので、最低限必要な当日着ていくユニフォームを買うことに。

「新学期初日は一般的にはスポーツウェアです。」と案内され、学校名を言って、指定のTシャツと短パンを購入。靴や靴下も色が指定されているので、店員さんに聞いて、買いそろえ一安心。

後は、始業式に行って、学校の様子を見て、必要なものを後で買いそろえよう、などと考えていたのが不幸の始まり。始業式後のデパートは長蛇の列。その上、もう在庫がなく、注文してもいつ届くかは未定とのこと。

そうです、スペイン人は制服を始業式の日に買う人がたくさんいるのです。他の制服店も訪ねましたがどこも同じ状態でした。制服の購入はお早めに。

始業式の様子

通学路には「上は制服だけど、下は私服」のような制服不完全状態の子どもたちを、あちこちで目にしました。始業式は、全学年の保護者と生徒がグランドの端で待機して、中心に校長先生が生徒の名前とクラスを読み上げて行くシステムです。

1クラスずつ6学年、各3クラスを読み上げるので、長い間、いつ読み上げられるかと耳を澄まして聞いてなければなりません。幸い、筆者の娘は6年生なので最初に呼ばれたのですが、その後、学校が何時に終わるとか、お弁当はどうするとかなどの説明があると思い、最後まで待つことに。

ところが、子どもが呼ばれて担任に教室に連れて行かれると、どんどん保護者も帰って行きます。案の定、全部読み上げたら「はい解散」でした。仕方なく、筆者は校長先生らしき女性に「お迎えは何時ですか?」と恥を忍んで聞きました。

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子供の送り迎え

スペインでは14歳ぐらいまで、親の送り迎えが一般的です。9時に送り、14時に迎えに行くという幼稚園時代のような日々が開始されました。登校時は門が開かれ、子どもたちは一斉に校庭に集まり、自分のクラスの列に並び、担任と教室に行きます。

問題は下校時です。1クラスの1生徒ずつ裏口の小さい玄関から出されるので、保護者の人山の中待たなければなりません。コンセルタードに通う保護者の様子ですが、現地のインターナショナルスクールに比べると、かなりくだけた感じでした。

日本の公立学校の保護者がどんなにきちんとしていたかと思わずにはいられない筆者です。

保護者会

担任から「保護者会には全員絶対出席しないとだめだ」と言われしぶしぶ出席。保護者会はスペイン人のことだから、きちんとしているはずだ。と思いこんだ筆者はブラウスとスカートで臨みました。

まず、ホールで全体に対しての説明。その後、各クラスへ移動。各クラス25人ですが、出席したのは7人のみ。幸い、自己紹介もなく携帯は禁止だとか、送り迎えができない場合の対応、連絡先の記入など最低限必要な情報交換ができたので、出席するべき保護者会でした。

最も「きちんとしていた」のは筆者だけだったのは言うまでありません。

授業のスタイル

授業は始業式当日から始まり、朝9時から14時まで、教室でひたすら勉強だそうです。

先生が読み上げた文章をどんどんノートに書いていくスタイルで、映像やコンピューターを駆使して楽しみながら学ぶ日本のインターナショナルスクールや、カリキュラムや教材が充実な日本の公立校、先生の采配で決まるスペインのインターナショナルスクールと違い、休み時間は一回、軽くスナックを食べる程度で、体育の授業以外14時までずっと教室で過ごすようです。

娘の学校はバイリンガル校となっていますが、英語のレベルはインターナショナルスクールの1年生レベル。スペイン人が英語が苦手なのも無理はありませんね。

まとめ

いかがでしたか?ちなみに給食はなく、学校内で休み時間にサンドイッチも買えたり、別料金(2週間で30ユーロ)で、午後はフラメンコやサッカーなど、好きな授業を選択できるのも、特徴的です。

昔の教育システムがそのまま続いている感じがしますが、過去に小学校を3つ渡り歩き、スペイン語を始めて1年の娘が「アナログだし、授業についていくのは大変だけど楽しい」とコメント。

コンセルタードは学費が無料なので、保護者にとってもありがたい学校です。ただし英語教育優先の方にはおすすめできません。

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この記事を書いた人

bruja
bruja

スペインに親子留学をしたのがきっかけで、移住することに。1年近くいるのに、適当なスペイン語しか話せていません。それでも、スペインのいい加減なお国柄を最大限に利用して、楽しく自分らしく暮らしています。

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